この記事では、2016年に締結されたDAZNとJリーグの放映権契約について、契約金額や契約内容をおさらいしたいと思います。

2016年7月、日本のサッカーファンを驚かせる発表がJリーグからされました。それは、2017年からの放映権をそれまでパートナーとして組んできたスカパーではなく、外資の「DAZN」と契約したというものでした。

しかも、その放映権料は破格の約2100億円ということで、サッカーファン以外の人にも相当なインパクトを与えるものでした。

DAZNとJリーグの契約金額は?

放映権料は驚きの10年2100億円

さて、世間に驚きを持って伝えられた契約は、2017年~2026年までの10年間で約2100億円という莫大な金額でした。

平均で年210億円もの収入がJリーグに入る計算で、2016年まで放映権の契約を結んでいたスカパーは年間30~50億円と言われていましたから、約4~7倍にも膨れ上がった事になります。(※実際には最初の3年間は160億円ずつ支払い、徐々に支払額が増えていく形の模様)

しかも、この契約はJリーグの村井満チェアマンによると、「最低保証金額が2100億円」とのことですので、さらに増える可能性もあるようです。

「次の10年」に向けて、Jリーグがこの2100億円の放映権料をどのように活かしていくのか、Jリーグの施策に注目していきたいですね!

中継制作費はJリーグが負担

年間210億円という金額は驚きですが、スカパーが制作をしていた2016年までとは異なり、2017年からは中継制作費をJリーグが負担することになっているため、多少差し引かなくはいけなくなります。それでも年間で100億円を超える放映権料を手にすることは間違いありません。

しかも、Jリーグが映像の著作権を保有することになったため、地上波のニュースなどにも格安でJリーグの映像を売り込むことなども可能になりました。

放映権料上昇の理由は?

これだけ放映権料が跳ね上がった理由として、スカパーとDAZNだけではなく、ソフトバンクグループのスポナビライブの存在も大きかったのではないかと言われています。

DAZN×ドコモ vs スポナビライブ×ソフトバンク」 という構図があり、放映権の価格が高騰したのではないかということですね。やはり動画コンテンツの確保というのが携帯各社にとっても重要になっていることがうかがえます。

DAZNに勝算はあるのか?

放映権を獲得したDAZNを展開している英国のパフォーム・グループは、2100億円もの投資を回収できる見込みはあるのでしょうか?

DAZNの月額視聴料である1750円(税抜)で単純に計算すると、1750円×12ヶ月=21000円で、放映権の年額210億円をこの21000円で割ると、100万人の加入者が必要ということが分かります。

さらにドコモの「DAZN for docomo」経由でDAZNの契約をした場合は、月額980円(税抜)となり、それもDAZNに全額入るわけではないでしょうから、100万人では足りないということが分かります。

また、当然ながらDAZNのコンテンツはJリーグだけではありませんので、他のスポーツの放映権料も含めるとさらに多くの加入者が必要となるでしょう。

この件についてパフォーム・グループは、

「パフォームはダ・ゾーンに登録した人からの利用料だけで収入を稼ぐという、とてもシンプルなビジネスモデルを取る。ダ・ゾーンには広告も入らないが、利用料だけで十分に費用をカバーできると思っている。(世界的には)音楽定額配信のスポティファイや、動画配信大手のネットフリックスが成功している。スポーツファンの方が音楽ファンより情熱を持っていると思うから、スポーツで同様のサービスが成功しない理由がない」

と語っています。

DAZNでは、2017の8月に会員数が100万人を突破したと発表しました。サービス開始から1年で100万人を突破するという猛烈な勢いで加入者が増えていますので、DAZNでスポーツを見ることが当たり前の時代も近い将来やってくるかもしれませんね!



DAZNとJリーグの契約内容は?

さて、10年間で総額約2100億円という放映権の契約金額は分かったのですが、その契約の内容はどうなっているのでしょうか。

前項でも中継制作費はJリーグが負担するというような内容もありましたが、それ以外の部分についても見てみましょう。

契約社 公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)
Perform Investment Japan株式会社
契約期間 2017~2026シーズン
(10年契約)
対象大会 以下の大会 全試合
・明治安田生命J1リーグ
・明治安田生命J2リーグ
・明治安田生命J3リーグ
・明治安田生命JリーグCS
・J1昇格プレーオフ
・J2/J3入れ替え戦
権利内容 日本国内における
・インターネット/モバイル配信
・IPTVサービス
・有料サテライト放送
・CATV
など

対象大会

J1/J2/J3の全試合というのはスカパーでも実現していなかったので、その点はサービスアップしました。JリーグとDAZNが契約した当時は、JリーグチャンピオンシップやJ2/J3が入れ替え戦があったため契約に組み込まれています。

また、2018年からはJ1の16位とJ1昇格プレーオフで勝ち上がったJ2のチームが入れ替え戦のような形で対戦することになりましたが、これも当然ながら放送されることになるでしょう。一方で、天皇杯やYBCルヴァンカップはDAZNが放映権を取得していないため、これらの大会も網羅して見ようとすると月額がアップすることになりました。

権利内容

このように有料放送についてはDAZNが放映権を握ったため、スカパーはサブライセンスの取得を目指したものの叶わずに、撤退を余儀なくされてしまいました。それに対して、NHKなどの無料放送はこれまでどおり、DAZNとは別にJリーグと契約を更新して2017年以降も放送されています。

スマートスタジアム

さらに、この契約発表時、「JリーグとDAZNはNTTグループとJ1クラブのホームスタジアムをはじめとした全国のスタジアムのwi-fi環境整備・情報サービス提供などのICT化を推進する」と発表しました。

※ICT(Information and Communication Technology)は、「情報通信技術」の略で、ITを取り入れて業務効率を上げ、通信技術を活用して顧客とのコミュニケーションの進化を図ること。



DAZNでJリーグの賞金・配分金は?

さて、この放映権の大型契約が発表されると、当然ながらJリーグ各チームへの賞金や配分金についてが話題になり、J1で優勝した際に受け取る総金額に驚きの声が上がりました。

J1リーグの賞金・配分金

まずは、J1の賞金と配分金について見ていきましょう。

賞金 優勝:3億円
2位:1億2000万円
3位:6000万円
理念強化
配分金
優勝:15億5000万円
2位:7億万円
3位:3億5000万円
4位:1億8000万円
均等配分金 3億5000万円

賞金

チャンピオンシップがあった2016年シーズンの場合、年間優勝すると最大で2億8000万円を手にすることができました。ただ、大会自体の方式が分かりにくかったのと同様に賞金額の計算も分かりにくく、2016年に年間優勝した鹿島アントラーズのJリーグにおける賞金総額は1億8500万円でした。

チャンピオンシップが廃止された2017年からは優勝~3位までの明朗会計となり、非常に分かりやすくなりました。賞金の総額は2016年に3億6500万円~3億9500万円だったものが、4億8000万円に増額されています。

理念強化配分金

続いては、「理念強化配分金」についてみていきましょう。今回のDAZNマネーによってもっとも変化があったのが、この「理念強化配分金」ではないでしょうか。

2016年シーズンまでは存在しなかった配分金ですが、J1で1位~4位のチームに新たに支給されることになった配分金で、優勝すると15億5000万円もの配分を受けられるようになりました。

ただし、この理念強化配分金は、すぐに全額がもらえるわけではありません。最大で3年間に分けて受け取ることになっています。

1年目 優勝:10億円
2位:4億円
3位:2億円
4位:1億8000万円
2年目 優勝:4億円
2位:2億円
3位:1億5000万円
4位:-
3年目 優勝:1億5000万円
2位:1億円
3位:-
4位:-

このように理念強化配分金は、優勝チームの場合は10億円/4億円/1億5000万円というように段階的に支給されることになっています。

ただし、この理念強化配分金は順位による条件を満たしただけでは受け取ることができず、Jリーグが課した条件をクリアする必要があるんです。

Jリーグによるとこれは、下記の条件を満たさないとと支給されないそうです。

「Jリーグの理念・活動方針に沿った目的に拠出しているか」「クラブライセンスにおいて当該年度のJ1ライセンスを保有しており、かつ当年度のリーグ戦に参戦していること(下部リーグでも受け取ることができるが、降格救済金との二重配分はない)」「当年度の配分金予算執行に関して理事会において決議されており、かつJリーグ内で支払い決裁が下りていること」


「Jリーグの理念・活動方針に沿った目的に拠出しているか」というのは曖昧でちょっと分かりにくいんですが、「Jの理念に沿った強化や普及、若手育成、施設整備、地域交流やスポーツ文化振興に限られる」とのことです。

この配分金の使途をJリーグが審査・承認して、はじめて支払われることになります。

なお、10億円/4億円/1億5000万円というように傾斜配分とした理由は、「選手の複数年契約などに対応した」ためとJリーグは説明しています。(※この配分比率は2019年シーズンまで継続されることが発表されていて、2020年以降は未定となっています)

均等配分金

均等配分金は順位に関係なく全チームに配分され、J1では3億5000万円が各チームに支払われることになっています。2016年シーズンは1億8000万円と言われていますのでDAZNマネーにより倍増したことになります。


※これらを全て合計すると、J1で優勝したチームは総額で22億円もの大金を手にすることになりました。

J2リーグの賞金・配分金

続いてはJ2リーグの賞金と配分金について紹介していきます。

賞金 優勝:2000万円
2位:1000万円
3位:500万円
均等配分金 1億5000万円
降格救済金 1億3000万円

賞金

J2の賞金は2016年シーズンから据え置きで変わっていません。

均等配分金

J2の均等配分金は、2016年の1億円から1億5000万円に増額されました。

降格救済金

なお、J1からJ2に降格したチームとJ2からJ3に降格したチームには、前年度均等配分金の80%が保障されています。

J1からJ2に降格した場合、3億5000万円の80%で2億8000万円が均等配分金の総額となります。この金額からJ2の均等配分金である1億5000万円を引いた、1億3000万円を「降格救済金」として追加で受け取ることができます。

ただし、この「降格救済金」は、「理念強化配分金」との二重配分は行わないという規定があります。

どういう事かと言いますと、例えば川崎や鹿島が2018年シーズンに降格した場合、2019年の理念強化配分金が、降格救済金である1億3000万円を上回っているため、理念強化配分金が優先されます。

また、もしも鹿島が2018年に3位以内に入らず2019年に降格してしまった場合、2020年の理念強化配分金は1億円となり、降格救済金の1億3000万円より低いため、降格救済金の1億3000万円が支給され、理念強化配分金は支給されません。

J3リーグの賞金・配分金

J3リーグの賞金と配分金についても見てみましょう。

賞金 優勝:500万円
2位:250万円
均等配分金 3000万円
降格救済金 9000万円

賞金

J3の賞金もJ2と同様、2016年シーズンから変わっていません。J2ライセンスを持っていて昇格する場合でも強化費にはできなそうな額ですね。

均等配分金

J3の均等配分金は、2016年の1500万円から3000万円に倍増しています。J3では経営規模が小さいため、この倍増はありがたいのではないでしょうか。

降格救済金

J2からJ3に降格した場合、1億5000万円の80%で1億2000万円が均等配分金の総額となります。この金額からJ3の均等配分金である3000万円を引いた、9000万円を「降格救済金」として追加で受け取ることになります。

その他の賞金・配分金

最後に、Jリーグ以外での賞金や配分金について紹介します。

ゼロックス・スーパーカップ 優勝 :3000万円
準優勝:2000万円
YBCルヴァンカップ 優勝 :1億5000万円
準優勝:5000万円
3位 :2000万円(2チーム)
天皇杯 優勝 :1億5000万円
準優勝:5000万円
3位 :2000万円(2チーム)
ACLサポート 総額:8000万円

ゼロックス・スーパーカップ

シーズンの幕開けを告げるゼロックス・スーパーカップの賞金は、2016年と2017年で変更はありませんでした。

YBCルヴァンカップ

YBCルヴァンカップの優勝賞金が1億円から1億5000万円に引き上げられました。決勝戦の結果により1億円の格差が生じるようになり、勝者と敗者がより天国と地獄になる状況となっています。

天皇杯

天皇杯もYBCルヴァンカップと同様に優勝賞金が1億円から1億5000万円に引き上げられました。ただし、2016年度まではベスト8で敗退しても1000万円支給されていたのが廃止されたため、賞金総額としてはほとんど変わっていません。

ACLサポート

JリーグではACLに出場するチームを支援するための資金として8000万円を用意しました。これは「ACLサポート」と言われるもので、ACLに出場する4チームに2000万円ずつを配分するというものです。

ただし、「理念強化配分金」との重複を避けるため、天皇杯優勝チームがJリーグの3位以内だった場合は、天皇杯優勝チームに8000万円が支給されるようです。(※Jリーグ優勝と天皇杯優勝が同じチームだった場合のみ4チームに配分されるという情報もあります)

また、Jリーグではありませんが、2017年の浦和のようにACLで勝ち上がると、16強進出で1000万円、準々決勝進出で3000万円、準決勝進出で4000万円のボーナスが日本サッカー協会から支払われたそうです。

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